肺がんは、組織型の違いによって分類され、肺がん全体の約90%は 「非小細胞肺がん」 とよばれる組織型に分類されます。がん細胞の増殖には、いくつかのタンパク質の異常(変異)が関係しており、これらのタンパク質にはKRASやEGFRなどが知られています。非小細胞肺がんではKRASの変異がEGFRに次いで多いことが知られています。KRASの変異のなかでも「KRAS G12C」※1とよばれる変異が最も多く、非小細胞肺がん※2の約4.5%にみられています1)。
- 非小細胞肺がん※2でのKRAS変異の割合1)
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※1:タンパク質を構成するアミノ酸のうち、12番目に位置するグリシン(G)がシステイン(C)に変異した異常なKRASのこと
※2:扁平上皮がんを除く
1)承認時申請資料
遺伝子の変異とKRAS G12Cについて
遺伝子の変異とは、遺伝情報を伝えるDNAの一部が、何らかの要因で変化することです。DNAから作られるKRASなどのタンパク質は、アミノ酸のつながりによって構成され、遺伝子に変異が生じた場合、通常とは異なるアミノ酸が入りこんだタンパク質が作られてしまいます。KRAS G12Cは、アミノ酸の配列のなかで12番目にあるグリシン(G)がシステイン(C)に変異した異常なKRASのことを指します。この変異は、特に喫煙により起こることが知られています。変異した異常なKRASは本来の機能を損ない、常に活性化するようになります。KRASの活性化はがん細胞の増殖に関与するといわれています。
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(イメージ図)